プログラミング学習は、初心者にとっては簡単なものではありません。この記事ではプログラミング初学者が陥りがちな2つの罠とその解決策を説明していきます。
プログラミング初学者の罠①：コーディング経験が圧倒的に足りない
インターネット上のプログラミング学習サイトにしろ市販の書籍にしろ、プログラミング初学者が利用できる便利なツールは世の中に溢れています。しかし、プログラミング初学者が最も大切にすべきはツールの種類ではなくコーディングの経験を積むことです。
プログラミングにはある一定のルールがあり、そのルールに則ったうえで自分の考えたアルゴリズムをもとにソースコードを書いていきます。しかし、コーディング経験が足りないとプログラミングのルールがいまいち把握できなかったり、その先の自分でアルゴリズムを考えてソースコードを書くレベルにまで達することは難しいのです。
「教材の説明はなんとなく分かるけどプログラミングの課題を出されると何をしたらよいか分からない」という初学者は少なくないのではないでしょうか。かくいうライターも市販のプログラミング本をもとに学習を進めましたが、初めのうちはテーマに沿ったプログラムを作る練習問題にかなり手を焼きました。
では、このような初学者は一体どうすればよいのでしょうか？その答えは、サンプルプログラムを自分の手で打つ練習をすることです。サンプルプログラムとは、あるテーマを理解してもらうために用いられる例題的なプログラムのことです。サンプルプログラムは大抵、初学者でも理解できるようなシンプルな構成になっていることが多いのですが、プログラミングの基礎が詰まった、まさに初学者にとってお手本と言える例題なのです。
先ほどプログラミング学習ツールについて「インターネット上のプログラミング学習サイトにしろ市販の書籍にしろ」と言いましたが、サンプルプログラムに関しては、残念ながらインターネット上のプログラミング学習サイトではその数が乏しいというのが実状です。対して、市販のプログラミング本は一般的に分厚い作りになっていますが、その分サンプルプログラムも充実していることが多いのです。（すべての書籍がサンプルプログラムを豊富に揃えているわけではないので注意）
数ある書籍の中でも、ライターがおすすめしたいのが『独習』シリーズ（翔泳社）です。『独習』シリーズは他のプログラミング本と比べてもだいぶ厚い構成となっており、かなり読み応えのある内容となっていますが、その中でも各テーマに関するサンプルプログラムの数が多く、それらの数あるサンプルプログラムを真似してコーディングするだけでもプログラミングセンスを養うことができるでしょう。
プログラミング初学者の罠②：初めて触れる概念
初学者にとってプログラミングというのは初めて触れる概念です。いざ勉強しようとして書籍を開いても見たこともない専門用語が詳しい説明なく当たり前のように並んでいるといったことが往々にしてあります。ここでプログラミング初学者はそういった専門用語を一つ一つ理解しようとして頭が混乱してしまうという事態に陥りがちです。
確かに分からない専門用語を理解しようとする姿勢は素晴らしいのですが、プログラミングに限っては実際にプログラムを書く方が理解が早いことが多々あります。そこでライターとしては、「とりあえず文脈からなんとなくの言葉のイメージをつかんでおく」に留めて、さっさとコーディングに時間を費やすことをお勧めします。
例えば「オブジェクト指向プログラミング」という概念をご存知でしょうか。オブジェクト指向プログラミングとは、「オブジェクト（物）をプログラムの機能単位とするプログラミング手法」のことを指しますが、初学者がこの説明を受けてもとても理解できるとは思えません。おそらくオブジェクトとは何なのかも分からないでしょう。それを理解するには実際にプログラムを見たり書いたりしてその機能を体験することが重要なのです。
ここで先ほどの話につながるのですが、初めて目にする概念を理解するのに役立つのがサンプルプログラムです。オブジェクト指向プログラミングを理解するには、オブジェクト指向のプログラムに触れることが一番の早道なのです。
今回、プログラミング初学者が陥りがちな2つの罠について説明してきました。ここでもう一度強調しておきますが、大事なのはサンプルプログラムに多く触れることです。簡単なプログラムであれば覚えてしまうくらい反復してコーディングするとよいでしょう。その経験が血となり肉となり、皆さんのプログラミング・スキルの礎となるのです。
